標本見本園(農学部庭園)/解体終了
西欧式の小さな小さな植物園
農学部の一角にお庭が残されています。学術のためにさまざまな植物見本が植栽された、小さな植物園でした。造園分野での産業遺産は、原型を留め難いことが多い中で当時の教育施設としての見本庭園を留めています。小さな庭園ながら、西欧庭園に見られる左右対称の構成を取り入れ、庭園の近代化の一過程を垣間みることができます。本多静六教授の指導の下、大濠公園の実施設計に携わり、造園学講座助教授を長く勤めた永見健一氏が設計しました。
現在は水も止まり、植栽も荒れていますが、茂みの中に小便小僧やネームプレートなど当時の様子を見ることができます。
物件情報
竣工年 | 1932年 |
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状態・コメント | 庭園自体をそのまま公園として利用することは十分可能。費用もメンテナンス程度しかかからず、なおかつ農学部の歴史を継承することにも繋がる。移設は比較的容易、農学部移転とともに伊都地区への、あるいは箱崎地区内へ公園等の一部としての移設も考えられる。 |
参考文献:「平成24年度 九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の調査」、「福岡の近代化遺産」
- 経済産業省による「近代化産業
遺産群 続33」に登録された建物 - 平成24年度九州大学箱崎キャンパスにおける
近代建築物の調査において評価をうけた建物 - 更地化されたエリアまたは
現在更地化が進んでいるエリア - 近代建築物の調査において
評価をうけたが解体された建物