
応用物質機能化学教室/解体終了
本館に共通する凹凸表現のタイル張りの外観内装共に優れた倉田作品です。初期の鉄筋コンクリート構造の建築物で、外観はもちろん、内部も建築当時の姿を色濃く遺しており、当時の様子を伝えています。建物背面に見られる興味深い窓配置のデザインは、階段室に合わせたものです。また蛇腹式の初期エレベータ施設など産業遺産としての価値を多く持っています。
アプローチでつながれた高温化学実験室は、もしもの時の火災を免れるために別棟として併設され、当建物と同じ素材が用いられています。
段々になった窓の配置は、階段に合わせられたものです。
応用物質機能化学教室に付属して高温化学実験教室が建てられています。

2017年2月 解体
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2016.12.6
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2016.12.10
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2017.1.17
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2017.1.30
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2017.2.20
物件情報
構造規模 | RC造、階数4 |
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建築面積 | 843㎡ |
延べ面積 | 2,782㎡ |
竣工年 | 1927年 |
状態・コメント | 鉄筋コンクリート造であるが、構造体が著しく劣化しているため、耐震補強改修が必要である。 |
今後の取り扱い | 評価C/解体方針。構造的な劣化が著しく、利活用が困難と思われるため、ファザード保存・記録保存等を含めた取り扱いを検討する。 以下の手順を踏んだ上で建物を解体する。 ①解体する建物を広く公開する。(建物の情報・活動歴史の紹介、解体前の撮影会等開催) ②記録保存を適切に行う(映像記録、3次元測定、部材保存) ③研究利用を行う(研究上、価値があるものを対象) ※非公式な見解として一部の専門家は、RCの劣化がひどく構造的にも危険であり、保存のためには技術とコストが必要といわれています。 |
参考文献:「平成24年度 九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の調査」、「福岡の近代化遺産」


- 経済産業省による「近代化産業
遺産群 続33」に登録された建物 - 平成24年度九州大学箱崎キャンパスにおける
近代建築物の調査において評価をうけた建物 - 更地化されたエリアまたは
現在更地化が進んでいるエリア - 近代建築物の調査において
評価をうけたが解体された建物